小さなクリスマスツリー

004

 「本当にちいさな何てことないツリーなんだけど、見た瞬間あなただと思ったの。」
恥ずかしがりやの友達がくれました。

Photo
ツリーに例えられたのははじめてです。
本と較べるとわかるけど、2cmくらいの小さなツリーです。

これのどこが私かという謎は残るのですが。
彼女の善意と好意は疑いようもなく、謎もひっくるめてとても嬉しかったので、
いろいろと想像して、ちいさくてもHAPPY!ってことだと勝手に思っています。

彼女は年末にこれを買ったものの、こんなつまらないもの笑われるかもしれないと、
ずっと家に置いていたそうです。あ~私のところに辿り着いてくれてよかった!

写真の本もその友達から。だけど、こっちは
「ブックオフで売っていたものなんだけど。欲しいかと思って。105円。」
としっかり料金をとられました。

でも、何故この本なのか。するとあとから、「十一月の扉」という本を彼女に薦めた
ことがあって、そのなかにグレーラビットとヘアが出てきたことに気がつきました。
「それで?」 と聞くと、彼女は 「うん」 と笑って言いました。

控えめで、パズルのような私の友達です。

☆この文に出てくる本☆
 「十一月の扉」 高楼方子 (新潮文庫)

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雪の日 読みの日 語りの日

022                kun-chan

今日の語りの講師は、とても素敵な方だった。80歳をこえていらっしゃるのに、お元気で頭脳明晰、軽妙で厳しい方のようにお見受けした。けれども、人に対する視線は優しい。個人のお名前を出すのは憚られるので、ここでは語りのおばあさんとさせていただく。

 私は今日を楽しみにしていた。あるお話会でこの方の「葉っぱの魔法」という話の語りを聞き、それが心に残っていたからだ。「オレンジ色の犬がほしいな。オレンジ色の犬がほしいな。しゅっしゅってしっぽを振るオレンジ色の犬がほしいな」と願った少年が主人公。すると、オレンジ色の葉っぱがからかうように、犬のようにじゃれながらついてきた。家にも、学校にも、校庭で遊ぶときにも。葉っぱは別に悪さをするわけじゃないけど、離れてくれない。犬ではないのに、犬みたいな素振りをして、少年にまとわりつく。それが少年には嫌なのだ。とうとう、助けをもとめて、海辺の小屋に住むおじいさんに少年は会いにいく。そして最後のあっと驚く結末。

 少年の心の動きがよく描かれていて、語られる少年はまるでキテのようで可愛らしかった。なんでもキテだと思うのは悪い癖だが、親ってばかですね!私は少年がでてくる話が好き。

 話を元に戻すが、彼女の語る「葉っぱの魔法」を聞いてから、私の心のなかにはオレンジ色の犬がずっといる。本当に! 嘘だと思うかもしれないけれども、よく語られたお話を聞いて心に描いたものは本当に長いこと心に残るのだ。少年が欲しくて欲しくてたまらなかったオレンジ色の犬。私もお話を聞きながら、その犬をしっかりと心に描いた。すると、紅葉を見てオレンジ色の犬を思い出し、あったかい気持ちになったりする。魔法でしょう! 

026              kame to utubo 

さて、今日の語りのおばあさんにこんな疑問を聞く機会があった。「昔話には不思議な展開のものがあり、頭で考えると理屈に合わないことがよくある。でも、その話を魅力的だと思うとき、わからないところはざっくり捉えて不思議というひとくくりで語ればいいのでしょうか。」

 おばあさんは、「私は自分が好きな人(木々や動物)が出てくる話しか語りません。それを、頭をなでるような気持ちで語っています。でも昔話の登場人物で本当に嫌な人物っていないでしょう。いじわるばあさんもどこか近所の身近な人に似ていたりしませんか。」「私は本当に不思議な話は語らない。おじいさんやおばあさんや、人間がたくさんでてくる話が好きです。特に、私はおじいさんと少年が出てくる話が好きなの。それが語り手の個性なのでしょう」と、笑って仰った。

この方のお話には個性的な登場人物が出てくるものが多い。しっとりとして不思議な展開の叙事詩のようなお話はこの方は語らない。多分、そういうものを語るに向いている人は他にいる。私の質問は的外れだったのだ。それなのに、真面目に考えながら答えてくださったのが嬉しかった。こんなことは自分で考えることだっだのに。

他にもいろいろとお話してくださった。80年生きてこられて、そのなかで考えたことを惜しげなく話してくださった。

自分ひとりでいい人になろうとしても絶対に無理ですよ・・・

人を育てるのは人しかいません・・・

聞き手は話し手の鏡です・・・

お話に出会うことで人生が変ることもあるのです・・・

文字にしてしまうと当たり前のありふれた言葉になってしまうのが残念。語りのおばあさんから直接聞くととてもよかった。

 語りのおばあさんは、小さいころお母さんにとても可愛がられて育ったそうだ。貧しくて学校にはいけず文字の読み書きは出来なかったお母さんは、それでも頭のよい方だったようだ。耳学問で覚えた歌舞伎や浄瑠璃のセリフを、子どもたちによく語ってくれたという。「ねずみの小判干し」という日本の昔話がある。語りのおばあさんは大人になってからこの話を聞き、「お母さんの声に聞こえた」という。そして、すぐにテキストを覚えて語った。それ以来、この話を語るときはいつもお母さんが後ろに立っていて、自分に語らせてくれているような気持ちがするという。今日はこの「ねずみの小判干し」も語ってくださった。軽妙に話が前へ前へすすみ、愛すべき人間とねずみが出てくる楽しい昔話だった。

「歌は適当よ・・・」と笑いながらも、受講者から「お話に合っていてとても良かった」と言われると、「ありがとう」とお笑いになる。素敵な語り手だった。

☆この文に出てきた本☆
「魔法使いのチョコレートケーキ」マーガレット・マーヒー作 石井桃子訳(福音館) *「葉っぱの魔法」はこの中に入っているお話です

006                                     ijimekko 

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雪の日 読みの日 

023

                            odebu-ekityou

 今日は首都圏では珍しく雪が積もった。
うちの近所では3センチくらい。積雪が少ないうえに気温が低かったから、道路が凍って朝はスリップ事故が多発したらしい。

 今日は小学校で読み聞かせがあり、6年生に「ねこ先生と、とらのおでし」という話を読んだ。中国の昔話集「白いりゅう黒いりゅう」に入っている話で、お人よしだけれども甘くはないねこ先生と調子がよくて気持ちの変りやすいとらがどちらも好きなので読んでいて楽しい。時間が7分くらいで読めるので、もう一冊「よあけ」と「しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩」を持っていって6年生に「どっちがいい?」と聞いたら、「詩」と言われたので、詩の本から2つ選んで読んだ。

 今日は雪で、溶けかかってはいるものの雪白と氷で川崎も特別な感じがした。こんな日には静かな絵本もいいかなと、柳宗元の「漁翁」という漢詩をもとに描かれた「よあけ」という絵本のほうを読みたかった。これは美しい絵本で、私には絵と詩だけで山の霧がたちこめる朝の風景が浮かぶ。おじいさんと孫というのも好きだ。しかし、いい絵本でも、キャンプの経験も山登りの経験もない子どもにはわからないようで、6年生には以前に1回読んだきり。今回も「詩」と言われたので出番なしとなった。「詩」のほうは面白いものを選んで読むので6年生でもゲラゲラ笑う。6年生のこの時期は中学受験の子もいるから、気楽でみんなで声を出して笑えるのがちょうどいいのかもしれないと思っている。

 そのあとで、読み聞かせの友達と2人で近所の図書館で催された語りの講座に行った。つるつる滑る坂道を話しながら登っていくのは楽しかった。お正月に私達家族が行ったグアムの話から、実はお互いの息子がぬいぐるみ好きということがわかり、男なのに大丈夫だろうか、でも案外よくあることなのかもしれないねと安心しあった。そして友達が学生時代にやっていた演劇の話をし、私がワンダーフォーゲル部での山登りの話をした。すると、「インドアだと思ったらアウトドアだったんだ」と友達に言われたので、「うーん。ワンゲルはインドアな人が多いんだよ。本好きがとても多くて。いまでもたまに同期のメールに最近こんな本読んで面白かったとか書いてあるんだ。私もそれが面白そうだったら読んでみるし」と答えた。そうこう話しているうちに、彼女が同じ大学の同じ学部の先輩だとわかったので、びっくりしてしまった。

☆この文に出てきた本☆(ちょっとキテくん風に!)
「白いりゅう黒いりゅう」/岩波書店
「よあけ」シュルビッツ作・画、瀬田貞二訳 /福音館書店
「しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩」/冨山房

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